水害などのBCPでは、災害のリスクを早期に把握し備えることが、被害を回避するために重要です。気象の注意報・警報を検索しなくても自動的に通知で教えてくれるスマホの「防災アプリ」を学びます。例として、NHKニュース防災の操作や機能を紹介します。
BCP研修の概要
感染症や自然災害のBCPについて、職員へ教育する研修の内容をBCPのステップごとに整理したものが、下記になります。加えて各学習で使える教材を書きました。特に、介護・福祉サービスの場合、職員の確保が業務継続の最重要課題になります。そのためにも、職員自身の防災対策を教えることが重要です。①~⑥に分けて教材の使い方を説明していきたいと思います。
今回は、事前準備の研修で、「防災アプリ」をどのように活用し、説明するかをお話しします。
ステージ | 研修項目 | 教材(数字は投稿の回次数) |
---|---|---|
基本方針 | 基礎知識、基本方針、体制 | ①BCPガイドライン ◎施設・事業所のBCP |
事前準備 | 災害リスクの把握 災害対策の準備 | ②家庭の防災・市町村のハザードマップ ③感染対策マニュアル、災害対策マニュアル |
災害情報の収集 | ④防災アプリ | |
初動対応 | 安全確保 | ②家庭の防災・市町村のハザードマップ ③感染対策マニュアル、災害対策マニュアル |
安否確認 | ⑤携帯カード・防災カード | |
業務継続 | 参集基準 | ⑤携帯カード・防災カード |
サービス提供の継続 | ③感染対策マニュアル、災害対策マニュアル | |
その他 | 施設で備えている防災対策 | ⑥建物の安全性、食料・資機材等の備蓄 |
災害リスクに対する警報・注意報
近年の水害の激甚化に、人的被害が多数発生していることを踏まえ、2021(令和3)年5月に避難情報が見直されました。皆さまも、テレビなどで見たことがあると思いますが、以下のように定義されています。特に、警戒レベル3の高齢者等避難が発令されたときは、入所系や通所系の施設・事業所においては、垂直避難で安全な階や、立ち退き避難で避難所・他施設などへ利用者を避難させる必要があります。では、高齢者等避難は、どのように出されるのでしょうか?
高齢者等避難は、次のような手順で出されます。
- 大雨警報、洪水警報、高潮警報:気象庁が発表する。
- 氾濫警戒情報:気象庁と河川管理者(国土交通省または都道府県)が共同して発表する。
- 上記の警報や注意報を、各市町村が判断して発表します。そのため、状況によっては、警報が出る前に高齢者等避難が発表される可能性もあります。
そのため、気象庁などが出す警報と市町村が出す高齢者等避難を迅速に収集することが必要になります。では、どうすれば、災害に関連した情報を迅速に収集できるかを、次に説明します。
災害情報の収集方法
ここでは、「NHKニュース防災」を例に使い方を説明します。このアプリは、GoogleやAppleのアプリ・ストアーで「NHKニュース防災」と検索すると出てくるので、インストールしてください。詳しくは、以下のホームページをご覧ください。
\ アプリ紹介ページ /
トップ画面の歯車マーク(設定)を押すと、設定画面が出てきます。そこで、天気・災害に関する設定でお住いの地域を設定してください。これにより、注意報や警報が出たときに、スマホが教えてくれるようになります。
また、トップ画面下のマップを押すと、メニューが表示されます。メニューは、大きく分けて2つに分かれています。1つは、ハザードマップ、もう1つはデータマップです。ハザードマップでは、洪水、土砂災害津波のハザードマップを見ることができます。データマップでは、以下の項目を見ることができます。
機能 | 説明 |
雨雲データマップ | 雨雲の状況を見ることができます。 |
台風情報 | 台風の現在位置や進路予想を見ることができます。 |
警報・注意報 | 気象警報・注意報、土砂災害警戒情報を見ることができます。 |
土砂災害危険度マップ | 雨による土砂災害の危険度がある状況を見ることができます。 |
竜巻注意情報 | 竜巻の注意報を見ることができます。 |
河川情報(大河川・中小) | 地域の河川の氾濫の危険性を見ることができます。 |
地震情報 | 発生した地震の震度などを見ることができます。 |
津波情報 | 津波警報・注意報の発令状況を見ることができます。 |
まとめ
災害に備えるためには、災害のリスクを早く把握し、的確に行動することが非常に重要です。水害などは、事前に災害のリスクが注意報や警報という形でわかります。この注意報、警報をスマホで教えてくれるのが、防災アプリです。是非、スマホに防災アプリを入れて情報をプッシュ型で受け取れるようにしましょう。また、携帯電話の方は、メールで知らせてくれるサービスもありますので、こちらの登録を検討してみてください。BCP Cafeの備忘録で、都道府県と政令指定都市の防災アプリや防災メールを一覧で掲載していますので、参考にしていただければ幸いです。
\ 備忘録 防災アプリ /