介護BCP研修で学ぶこと(1) 基本方針:BCPガイドラインの活用

目次

BCP研修の概要

感染症や自然災害のBCPについて、職員へ教育する研修の内容をBCPのステップごとに整理したものが、下記になります。加えて各学習で使える教材を書きました。特に、介護・福祉サービスの場合、職員の確保が業務継続の最重要課題になります。そのためにも、職員自身の防災対策を教えることが重要です。①~⑥に分けて教材の使い方を説明していきたいと思います。

今回は、基本方針の研修で、BCPガイドラインをどのように説明するかをお話しします。

ステージ研修項目教材(数字は投稿の回次数)
基本方針基礎知識、基本方針、体制①BCPガイドライン
◎施設・事業所のBCP
事前準備災害リスクの把握
災害対策の準備
②家庭の防災・市町村のハザードマップ
③感染対策マニュアル、災害対策マニュアル
災害情報の収集④防災アプリ
初動対応安全確保②家庭の防災・市町村のハザードマップ
③感染対策マニュアル、災害対策マニュアル
安否確認⑤携帯カード・防災カード
業務継続参集基準⑤携帯カード・防災カード
サービス提供の継続③感染対策マニュアル、災害対策マニュアル
その他施設で備えている防災対策⑥建物の安全性、食糧・資機材等の備蓄

BCPの基礎知識に関する動画の視聴

BCPの研修で資料の作成や説明が大変だというのであれば、BCPの基礎知識を学べる動画を視聴することも1つの手です(この動画を毎回毎回見るのは疑問ですが)。厚生労働省が作成した「介護事業者における業務継続計画(BCP)について」が良いと思います。介護BCPの第一人者である本田茂樹氏が解説しています。ただし、2020(令和2)年度に厚生労働省が公開した動画・資料である「介護事業者における 業務継続計画(BCP)について」は、現在、厚生労働省のホームページで公開されていません。そのため、資料は、当サイトでアップロードしておきます。また、この動画は、下記のYouTubeで公開されています。

\ 厚生労働省作成資料のバックアップ/

厚生労働省作成のBCP基礎知識の動画

BCPガイドラインの活用

厚生労働省のBCPガイドラインには、自然災害と感染症の2つのガイドラインがあります。下記から入手できます。今年3月に更新されていますので、古いものを使用している方は、最新版を確認ください。

\ 厚生労働省 /

自然災害BCPガイドライン

自然災害BCPガイドラインを使って、基礎知識の学習ポイントを見て行きたいと思います。

この「2-1.業務継続計画(BCP)とは」では、先の「介護事業者における業務継続計画(BCP)について」で解説されています。ここで重要なのは、「重要な取組」の内容です。この内容は、自施設・事業所のBCPに書かれていますので、その部分を説明すると良いと思います。

BCPの重要な取組研修時の説明内容
事業継続の方針を決めて共有すること基本方針
体制を決めて、各担当者をあらかじめ決めておくこと(誰が、いつ、何をするか)体制表
連絡先をあらかじめ整理しておくこと連絡先
必要な物資をあらかじめ整理、準備しておくこと備蓄品等
上記を組織で共有すること研修・訓練
定期的に見直し、必要に応じて研修・訓練を行うこと研修・訓練
は、次回以降投稿で説明します。

ここでは、「介護施設等はサービス提供の維持・継続の必要性が高く、BCP 作成など災害発生時の対 応について準備することが求められます。」と言うことで、例えば、地震が発生しても、最低限の介護サービスを継続する必要があることを伝えます。

先の「2-2.介護施設・事業所における業務継続計画(BCP)について」の続きとして、サービスの継続に加え、利用者の安全確保、職員の安全確保重要性を説明します。これらの点は、施設・事業所の基本方針と合致しているのであれば、基本方針の説明と兼ねても良いと思います。また、サービス継続のために職員を確保するためには、施設・事業所内の安全確保だけでなく、職員の自宅の安全確保が重要になりますので、事前準備や初動対応で職員に詳しく説明しなければなりません。

感染症BCPガイドライン

自然災害BCPガイドラインと感染症BCPガイドラインは、大半が同じです。違う点は、次の3点になります。

感染症のBCPでは、感染対策として施設・事業所で作成している感染対策マニュアルが重要な部分がたくさんあります。感染対策マニュアルのお話は、次々回の事前準備でお話しします。

これら3つの部分については、過去3年間で、実体験されたので、皆さんの体験を忘れないうちに、BCPに盛り込んで置くことをお勧めします。

まとめ

BCP研修で基本方針については、以下の3点を学ぶことが重要です。

(1)BCPの基礎知識の習得。動画の活用が便利。
(2)BCPに書かれている基本方針の徹底。サービス継続、利用者の安全、職員の安全の3点が一般的です。
(3)BCPの体制を理解し、各人の役割を認識します。

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